医療福祉の労務情報
医療福祉の労務情報
文書作成日:2022/09/30

 今回は、診療時間の変更による人材不足の解消についての相談です。

 先日、診療時間を変更したことで、特定の時間帯に人手が不足しているように感じています。正職員の求人募集をして補おうと考えていますが、なかなか当院が求めている人材からの応募がありません。何か効果的な対策はありませんでしょうか。

 新規求人による人材確保だけでなく、いま働いているパート職員を正職員に転換することを考えてもよいかもしれません。求人を行っていることを院内で周知し、パート職員等からの応募を待つほか、個別に正職員への転換について声をかけてもよいでしょう。

1.整備が必要となる正職員への転換推進措置

 医院がどのような労働条件で職員を雇用するかは原則として自由ですが、パート職員等※1として雇用した場合、以下のような「通常の労働者※2への転換を推進する措置」を講ずることが義務付けられています。

  1. ハローワーク等で正職員を募集する場合、その募集内容をパート職員等へ周知する
  2. 正職員のポストを社内公募する際、パート職員等にも応募する機会を与える
  3. パート職員等が正職員へ転換するための転換試験制度を設ける など
 これは、正職員としての勤務を希望しながらも、やむを得ずパート職員等として勤務している人について、正職員に転換するチャンスを整えることが重要との考えから設けられたものです。措置を講じることは義務ですが、措置を講じた上で、結果として正職員に転換する職員がいなかったとしても問題はありません。

 今回のケースでは、正職員を新規に雇用するほか、正職員の募集を院内で周知することによって、パート職員等から正職員への転換を行い、人材を確保することも考えられます。また、正職員への転換が期待される職員に個別に声をかけ、転換することも考えられるでしょう。

2.正職員転換時の助成金の活用

 パート職員等を正職員に転換したり、処遇改善の取組を実施したりする際には「キャリアアップ助成金」を活用できる可能性があります。今回のケースであれば、「正社員化コース」の申請を検討するとよいでしょう。

 この助成金の受給にあたっては、基本給、賞与、各手当等について、正職員と異なる制度があり、その制度が6ヶ月以上適用されているパート職員等を正職員に転換することが一つの要件になっています。その他にも細かな要件が設けられていますので、助成金を活用する際には事前にご確認ください。

 今後は、労働力不足により採用がさらに難しくなることが想定されます。ライフステージに応じた多様な働き方を整備することにより、人材の定着を進めたいものです。

  1. ※1 パートタイム労働者、有期雇用労働者
  2. ※2 正規型の労働者及び事業主と期間の定めのない労働契約を締結している無期雇用フルタイム労働者


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。



CONTACT

税理士法人 亀岡合同総研

〒550-0004
大阪市西区靱本町1-12-6
     マツモト産業ビル8階
Tel:06-6445-1311
Fax:06-6445-1585